日仏米の漫画家が集結したアンソロジー『TURNING POINT(ターニングポイント)』

turningpoint概要

出版社:飛鳥新社

著者:浦沢直樹、松本大洋、寺田克也、カネコアツシ、小池桂一ほか

発売日:2017/9/26

 


感想

フランスの出版社ユマノイドの、創立40周年を記念する日仏米コミックアンソロジー。

日本・フランス・アメリカから漫画家が参加して「漫画」「BD※」「アメコミ」という3つの表現を一冊にまとめた本です。

飛鳥新社といえば『ユーロマンガ』誌上でBDを積極的に紹介してきた、数少ない出版社。今どきのBDが日本語訳で手軽に読めるという事実に、感謝しなければいけません。

日本から参加された5名の作家は、BDが日本に入ってきた当時から大きく影響を受けていた方々。

BDに関する学術的なシンポジウムへ登壇されたり、メディアの取材を受けることも多いように思います。

寺田克也さんも昔からBDの巨匠・メビウスに大きく影響を受けているのは有名な話です。

本の内容ですが、寺田克也さんは6ページほどのフルカラー漫画を掲載されています。

作風としてはこの前開催されていた展覧会「ルーブルNo.9」に出展されていたものに近いですかね。

大きめのコマ割りで、左から右に読み進めていく(ほぼ)台詞無しという構成は、BDのお手本的な作りです。

最近はバケツツールでパキッとした塗りにハマっているとご本人もおっしゃっていましたが、強めのくっきりとした彩色が印象的な漫画でした。

飛鳥新社のサイトはこちら。


※BD…バンド・デシネの略。そのままビーディー、ベーデーなどと呼ぶようです。フランスを中心とした、ヨーロッパで誕生した漫画の形態です。