仮面ライダーWのドーパント(怪人)デザインを知る!『公式読本”W”』『公式解体新書』

仮面ライダーW公式解体新書表紙

仮面ライダーWは2009年~2010年に放映されていた仮面ライダーシリーズの特撮番組。今回取り上げるのは、その「W」のキャストやスタッフへのインタビューを中心にまとめた、ライダーファン向けの書籍です。

寺田克也さんがドーパント(怪人)のデザインで関わっておられます。この記事で取り上げる書籍では、特撮怪人のデザインの考え方や舞台裏が垣間見えます。

番組自体はとっくに終了しているのですが、週刊ビッグコミックスピリッツ(小学館)にて、「W」の正統続編として『風都探偵』が連載中でして、その単行本が先日3/30に発売となっています。

ところがこれが品薄状態で。私も本屋を4件渡り歩いて在庫切れ、Amazonで買おうにも入荷が14日頃になるとのことで、おとなしく書店で取り寄せをお願いしてきたところです。SNSで観測している限りでは、どこの本屋でも品切れ状態らしいですね。手に入らないことに腹を立てても仕方ないので、今回は「W」にかかわる寺田克也さんの書籍情報を記事にしてみます。

『仮面ライダーW公式解体新書』

仮面ライダーW公式解体新書

発行日:2010/10/1
発行:角川書店
定価:2100円(税込)
第1話から劇場版2作、そして最終話までのホントに“全て”が詰まった一冊が登場。スタッフ・キャストインタビューは新規取材に加え、「特撮ニュータイプ」で掲載されたものを一部再録。心情の変化や成長、番組への想いが伝わる内容で、1年間の思い出が瑞々しく甦ります。また、全話解説の内容もかなり濃厚で、読めばまた『W』を見返したくなること間違いなしです。そ・し・て、本書でしか見られないメモリの画像も掲載された特別企画「ガイアメモリ大全集」は必見。この本なくして『W』は語れません!

【キャストインタビュー】
桐山漣/菅田将暉/山本ひかる/木ノ本嶺浩/生井亜実/飛鳥凛/君沢ユウキ/檀臣幸/コン・テユ/松岡充/寺田農
【スタッフインタビュー】
監督=田崎竜太、坂本浩一、諸田敏/脚本=三条陸、長谷川圭一/アクション座談会=宮崎剛×高岩成二×永徳×渡辺淳/ドーパントトーク=寺田克也×蟻川昌宏/プロデューサー座談会=本井健吾×塚田英明×高橋一浩

レビュー

こちらの本では、ドーパント(怪人)デザインをされた寺田克也さんと、造形担当だった蟻川昌宏さんの対談インタビューが紙面3ページに渡って載っています。

お二方が最初に一緒に仕事をしたのは、雨宮慶太監督の「未来忍者」(1988年)ということなので、かなり前からの付き合い。

特撮のデザインは、キャラクターデザイナーの設計図(ラフ)を元に、造形担当がスーツを作るという工程を踏みます。毎週放送というスケジュールや予算、ストーリー展開に合わせてプロデューサーやスーツアクターとのやり取りを重ねながら生み出される、独特の造形が特徴ですね。

本書にはキャストの写真やスタッフのインタビューは多数載っていますが、ドーパントのデザイン画は2枚しか載っていない(しかも白黒)なので、デザインが見たい人は要注意です!

 

『仮面ライダーW公式読本”W”』

仮面ライダーW公式読本"W"

発行日:2010/10/25
発行:グライドメディア
定価:2667円+税

◆序章(主要関係者の対談)
塚田英明[プロデューサー]×三条 陸[メインライター]、桐山 漣×菅田将暉

◆第1章(キャストインタビュー)
桐山 漣、菅田将暉、山本ひかる、木ノ本嶺浩、生井亜実、飛鳥 凛、檀 臣幸、君沢ユウキ、コン・テユ、なだぎ武×中川真吾、寺田 農、テレビシリーズゲスト出演者コメント集in『仮面ライダーW FOREVER AtoZ/運命のガイアメモリ』

◆第2章(スタッフインタビュー)
田崎竜太[メイン監督]、坂本浩一[監督]、諸田敏[監督]、柴崎貴行[監督]、《『W』監督・脚本家名鑑》、石田秀範/黒沢直輔[監督]、長谷川圭一/荒川稔久/中島かずき[脚本]、中川幸太郎×鳴瀬シュウヘイ[音楽]、テレビシリーズ放映リスト

◆第3章(作品紹介)
《仮面ライダーW ビギンズナイト》作品紹介:吉川晃司「Nobody’s Perfect」PV撮影現場コメント
《仮面ライダーW FOREVER AtoZ/運命のガイアメモリ》作品紹介:松岡 充

◆第4章(アクション担当者へのインタビュー)
高岩成二、永徳、渡辺 淳、小野友紀、宮崎 剛[アクション監督]

◆第5章(美術担当者へのインタビュー)
大嶋修一[美術]、佛田 洋[特撮監督]、長部恭平[視覚効果]

◆第6章(デザイン担当者へのインタビュー)
早瀬マサト(石森プロ)×PLEX[キャラクターデザイン]、寺田克也[クリーチャーデザイン]、田嶋秀樹(石森プロ)[資料担当]

レビュー

こちらの書籍の方が、『公式解体新書』より一回り大きいです。大きく違うのは、寺田克也さんによるドーパントのラフデザインが収録されていること。しかも一体一体についてデザインのコンセプトを解説しています。特撮怪人が好きな人には堪らない内容でしょう!

「W」のドーパントデザインのポイントは「地球(ほし)の記憶」。地球上にある色々なモチーフを、各話ごとに怪人として再現していこう!というのが基本スタンスになっています。

今回寺田克也さんがこだわったポイントとしては、基本的にデザインに個性を入れすぎないように気を付けたそうです。また下半身は人間らしくタイツにするようにまとめており、初期の仮面ライダーデザインへのオマージュをしつつ、メリハリを出しているとのこと。造形あっての怪人なので、造形担当の蟻川昌宏さんにお任せする部分も多かったようです。

書籍の中身をウェブで公開するのは少し躊躇われますが、ドーパントデザインで気になったところだけ、少しご紹介させてもらいます。

テラー・ドーパント

テラードーパントのラフ

「恐怖」をモチーフにしたドーパント(怪人)。シルエットは割と人間らしさがありつつも、どこか人間離れした不気味さを感じさせます。

バンダイからフィギュアも出ており、ナスカ・ドーパントやテラー・ドーパント、クレイドール・ドーパントなどと並べるといい感じですよ。

パペティアー・ドーパント

パペティアードーパントのラフ

ドールを操るドーパント。これは私が個人的に、視聴していて一番怖かったドーパントです。笑

放送当時のTwitterも、このドールに対する恐怖のツイートをする人が多数出現していたような…。。子供たちにトラウマを植え付けたドーパントとして後世に語り継がれることでしょう。

バイラス・ドーパント

バイラスドーパントのラフ

こちらは寺田克也さんが、造形の仕上がりを特に気に入っているドーパント。

病原菌や研究室のようなイメージでデザインしたそうですが、寺田さんが強く影響を受けたフランスのアーティスト・メビウスが描きそうなデザインでもある、と発言しています。

スイーツ・ドーパント

スイーツドーパントのラフ

最後にこちら。ウルトラマンシリーズが好きな人なら、メトロン星人を連想しますよね。寺田克也さんの怪人デザインは、成田亨さんの影響をとても強く受けているとのことですが、こういう先人たちの上に創造が成り立っているんだなと感じます。

成田亨さんは、ウルトラマンのデザインをしたり、「太陽の塔」内部の「生命の樹」をデザインしたりと、あえて大袈裟に言えば日本人のアイデンティティにかかわるような大きな仕事をされたお方。成田亨さんの画集もかなりイケてるのでオススメです。

『別冊宝島 2394』で初期仮面ライダーの怪人を知る

別冊宝島仮面ライダー1号・2号・V3・ライダーマン総特集

2015/10/28発行
発行:宝島社
定価:1500円+税
いまも新たなファンを生み出しながら続く「仮面ライダー」シリーズ。その記念すべき第1作『仮面ライダー』と、第1作からの直接的な続編である『仮面ライダーV3』。後世に多大な影響を及ぼし、現在も絶大な人気を誇るこの2作品を、様々な角度から徹底的に解析します!
伝説の番組はどうやって生まれたのか?当時の貴重な写真と、脚本・滝沢真里や美術・八木功(エキスプロダクション)ら関係者の証言、そしてエキスプロから発見された大量の造形用デザイン画、村枝賢一×関智一と韮沢靖×寺田克也のライダーファン対談、さらに一文字隼人/仮面ライダー2号を演じた名優・佐々木剛インタビューと、『仮面ライダー』『仮面ライダーV3』の全情報がこの1冊に詰まっています!

最後にこちらも紹介しておきます。初期仮面ライダーの怪人デザインについて、平成仮面ライダーの怪人デザインを手がけた寺田克也さんと韮沢靖さんが語りまくる記事がオススメ。特撮怪人の美学を知りたいならマストバイですね。

『風都探偵』はやく読みたい。

『風都探偵』に登場するドーパントデザインは寺田克也さんが監修しており、新規にデザインを起こしているようですね。

週間連載を追いかけるのは大変なので単行本で一気読みしようと思っていたのですが、今回のように品切れとなると大変困ります。どうしても漫画は紙で手元に置いておきたいタイプですが、電子版でもいいかなぁ…それなら在庫リスクないしなぁ…と思っているところです。

単行本1巻には寺田克也さんのドーパントデザイン画が特別付録としてまとめられているそうなので、やはり特撮怪人好きならマストバイ。読んだらまた記事にしようと思いますが、今回はここまで。

追記

『風都探偵』1,2巻が無事に入手できたので、記事にしました。

 


そういえばエグゼイドのバグスターデザインについてまとまっている書籍もどこかにあるのでしょうか…ノーチェックでしたが、確認しなければ。以下のリンクは、過去の記事ですがエグゼイドの『公式完全読本』レビューです。

【書籍レビュー】仮面ライダーエグゼイド公式完全読本